過激派の義勇兵の手によって、シリア北部アレッポのスークが焼き払われた。
スークは全長13キロにわたる屋根付きの市場で、そのほとんどが石造。(屋根は木造部が多い)キャラバンの中継地点で商業、教育、宗教、政治がこの市の中で生まれた。スークはただの市ではない。成り立ちや、造形、闇の存在までもが、わたしの興味を引きつける、
私の好きな建築の一つで、死ぬまでには一度見に行きたいと思っていた。
しかし、そのほとんどが焼き払われた。胸が痛い。
死ぬまでに見ておこうと思っている建築は、死ぬまであるとは限らない。人間はつくづく愚かだ。自然の力で風化してしまうよりも先にスークが無くなるとは思いもしなかった。